9月定例会 一般質問③「子どもの長期マスク着用による弊害と緩和策の提案」

今やマスク着用がマナーであるかのように、社会全体が「マスクをするのが当たり前」のようになっています。人の目を気にしたり、同調圧力などによって、感染対策とは別の理由で、マスクを外せない大人も多くいるのではないでしょうか?

子どもによっては「苦しい」「頭が痛い」という悩みを抱えながら過ごしています。

規律正しく徹底された中では、苦しくても声を上げられない子ども、そして声を上げられない保護者もいます。

マスクには良い面だけでなく、長期間、常時着用することでマイナス面もあります。

●二酸化炭素濃度が上がると、片頭痛を引き起こす。不織布マスクは石油由来の化学物質なので、過敏な人は着けているとクラクラしてくる。

●酸欠状態が続くと、集中力や思考力の低下に。

●小さい子どもは、言葉だけでなく、相手の表情を認識し、感情の変化やコミュニケーション能力を養っていきます。顔が見えないことで、コミュニケーション能力の発達に影響がある。

●ストレスや酸欠によって、自律神経が乱れ、免疫力の低下にも。呼吸が浅くなるとイライラに。

マスクの効果が発揮されるのは、喋る時や咳、くしゃみをする時の「飛沫対策」です。

メリハリを着けて活用するのは良いと思いますが、常時着用するのは少し「やり過ぎ」のようにも思います。

しかも、マスクは隙間なく正しい着け方をして初めて最大限効果が発揮されますが、小さい子どもほど、正しく着用することは難しく、しかも何度も手で触りますので、衛生的ではありません。

どこまで本来の役割を果たしているか分かりません。

「マスクをしていれば大丈夫、マスクをしていなければ危険」という風潮が色濃く感じられますが、

マスクをしていても感染をする人もいれば、マスクをしていないのに感染しない人もいます。

マスクは、飛沫によるウイルスの飛散や曝露を軽減する補助的な道具であり、感染を防いでいるのはマスクの下のその人自身が持つ免疫力だと思うのです。

東洋医学の医師の方で、ワクチンもマスクもせず年間延べ1万人の患者を診ている方がいらっしゃいますが、本人はもちろん家族も従業員も一度も感染していないそうです。

「玉屏風散」で免疫力を高め、怪しいと思ったらすぐ「銀翹散」を飲んでいるそうです。

そして、PCR検査陽性者の中には、ウイルスに曝露しているだけで感染していない人、感染しても無症状(つまり発症していない人)もいます。

感染とは、免疫で防ぐことが出来ず、ウイルスが細胞内に侵入し、増殖した状態です。

厚生労働省も無症状の感染者について、「感染させる可能性は完全には否定できないが、免疫機能により、ウイルス量の増加は抑えられているため、感染性は低い」と示しています。

皆、均一に感染能力を持っているわけではありません。

2020年のコロナが流行り始めた頃、感染症の専門医の方から「ウイルスというのは自分が生き残るために、毒性を弱め、感染力が高くなるように変異していく」という話を伺いました。

今のところ、その通りになっています。今後、ウイルスが変異するとすれば、さらに感染力が高くなるかもしれません。

ですが、今は多くの陽性者が、無症状あるいは2~3日の発熱で治る軽症に留まっています。

今でも画一的に、日常生活を奪ってまで社会全体で対策をして恐れなければいけない感染症なのでしょうか?

「無症状の人が感染を広めて‥」と不安に思われている方もいらっしゃるかと思いますが、「なぜ、ウイルスに曝露しても無症状なのか」を考えて欲しいと思います。

これは風邪でも何でも同じようなことが言えるのではないでしょうか。

ウイルスがなくなることはありません。

いつまでも「ウイルスに曝露しない、感染しない」対策を続けるのは無理があります。

厚生労働省子ども家庭局保育課から全国の保育所施設に送られた事務連絡の中には、「一定年齢以上の子どもに一律にマスクを着用を求めることや、子どもやその保護者の意向に反してマスク着用を実質的に無理強いすることにならないよう、留意していただくようお願いします」(WHOは5歳以下の子どもへのマスク着用は必ずしも必要ない)としています。

現場では、いつしか強制的になっていないでしょうか?

リスクとのバランスを考えて、「外してあげたい」と希望する保護者の方もいらっしゃいます。

そんな方たちを思いやれる余裕はありませんか?

そして、保育士の先生方、学校の先生方、2年半の間、子どもたちに素顔で笑った顔を見せたことがあるでしょうか?そもそも素顔を知っているでしょうか?

子どもは不安もたくさん抱えています。

先生たちの笑顔は、子どもに大きな安心を与えます。

友達同士で笑い合うというのは、人として生きる上で日々お互いの存在意義を確かめるような、とても大切なことです。

まじめに感染症対策を徹底するあまり、大事なものを見失っていないでしょうか?

「1秒でも多く着けさせる」ではなく、メリハリをつけて、「1秒でも多く外せる」時間を一緒に探していきませんか?

そして、ひとりひとりが免疫力を上げる心がけをしてみませんか?

Q1、学校によっては、外の体育の時間もマスクを着用している。また、先生から外すように促されても誰も外さない、という現象が起きている。文部科学省のガイドラインに沿って、外させるべきでは?

A1、教育委員会からは5/30付けでマスクを外していい場面を示した通知を出している。通知内容と違う対応をしていないか、再度徹底したい。

Q2、図書室や黙って聞く授業は飛沫が飛ばないのでマスクを外してもいいのではないか。近隣の自治体でやっている学校があるが、問題は聞いていない。

A2、学校の授業では、「主体的、対話的で深い学びの実現」に向けて取り組んでおり、聞くだけの授業がないので、原則マスク着用と考えている。

Q2’、図書室では、喋らないことを条件にマスクを外しても良いのではないか(文部科学省のガイドライン通り)。その旨、図書室に張り紙をしていただくこともお願いしました。

Q3、学校や保育施設では、毎朝アルコール消毒をさせている。肌に合わない子どももいるので、手洗いなど柔軟な対応はどうか?

A3、学校→原則、手洗いを推奨しているが、場面によってアルコール消毒をしている(給食の配膳時など)。アルコール消毒が合わない児童には強制せず、柔軟な対応をしている。

   保育施設→登園時、基本的にはアルコール消毒を行なっている。保護者からの申し出があった場合、手洗いに変更するなど柔軟な対応に努めている。

Q3’、「日頃から滅菌、殺菌をしている人は菌に対して弱くなる」と言われています。人間に飼われている動物もキレイに体を洗ってあげると、すぐ砂浴びをして、体に菌をまといます。これは自分を守るための行動です。対策を徹底するあまり、みんながウイルスや菌に弱くなってしまっては元も子もないのではないでしょうか。

Q4、朝、校庭で迎える時や帰りの見送る時は屋外である。先生もマスクを外してもいいのではないか。卒業式や入学式はマスクを外して、「おめでとう」と言ってあげてもらえないか。

A4、表情を見て、挨拶をしたり会話をしたりすることはとても重要で、お互いマスクを取った中でのコミュニケーションを図ることが理想。しかし、教師は近距離で挨拶をするなど声を出すので原則着用を考えている。

入学式などで校長がマスクを外して式辞を読んだり、卒業生はマスクを外して会場の皆さんに表情を見てもらいながら卒業証書を受け取ったりするなど、意図的にマスクを外す場面を設けている。

Q4’、担任の先生も教室でマスクを外して「おめでとう」と言ってもらえないか。

A4’、距離がとれれば可能と考える。

Q5、学校で同じ方向を向いて孤食、黙食をしているが、人数の少ない学校では距離が取れれば、向き合っても良いのではないか?(ガイドラインでは2m以上)

A5、向かいあうと、低学年の児童は会話をしてしまいがち。会食の時が一番感染リスクが高いので、現状の対応を続けたい。

Q6、子どものことを考えて、「マスクを外させたい」と願う保護者がいるが、そういう子どもは、マスクを外すことを認めてあげられないか。市外の事例であるが、マスクを着けさせたら毎日鼻血を出して帰ってきた。その子はマスクを外すことを認められた。ただ、明らかな異変が起きる前にも、その予備軍のような異変やストレスを保護者は感じとっている。「健康被害が起きたら外してOK。健康被害が起きなければ認められない」では問題がある。

A6、学校→匝瑳市では、健康を害したという例はない。健康面で心配のある児童に起案しては必要に応じて相談している。

  保育施設→保護者の着用の意向があることを前提としている。園児の個々の状況に応じて、柔軟な対応に努めている。

〜 議会では時間の関係でここまで 〜

Q7、悩んでいても言えない子どもや保護者がいる。アンケートを取ってみるのはいかがか?

A7、学校→学校評価に関するアンケートで、自由記述もあるので、そこに記載していただくか、場合によってはアンケートを取る必要もあると考える。

  保育施設→公立保育園では、定期的にアンケートを実施しているので、マスクの着用や消毒についての質問項目を加えることも可能であると考える。

Q8、マスクを着けられない子どもに対して、「なぜマスクをつけられないのか」を思いやれるように、いじめが起きないように理解を示すメッセージを教育委員会から出してもらえないか。

  (千葉県では、柏、船橋、習志野、市川、鎌ヶ谷、四街道、千葉が出している。全国でも多数。)

A8、現在、行なっているアンケートや校長会議の報告では、コロナやマスクに関わるいじめの報告はない。今後、校長会議で話題にし、必要であればメッセージを発信していくことも考えていく。

Q9、横浜市では、市のスタンスを出している。それによって、さまざま事情に対して、理解を示すことにつながるのでは。

A9、各学校に発出した通知文をホームページにアップして、再度、保護者に周知を図りたい。

  

今は多様性を認める時代です。

巷では、ワクチンやマスクについて、賛成派と反対派がお互いに「自分たちが正しい」と対立し、争い、分断が起きています。

ただ、思うに、例え事実が1つであっても、今までどんなものと出会い、何を信じて、どう行動してきたかによって、「答え」は、人それぞれ違ってくると思うんです。

それを他人に無理強いしない。

お互いの判断を尊重し合える世界であって欲しいと願っています。

そして、教育現場、保育現場は未来ある子どもが、それを学ぶ場であって欲しいと思います。

考えが違っても、分断や対立を起こさない。

そういう世代を、これからは目指していかなければいけないのではないでしょうか。

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