6月議会報告③「免疫力アップを目指したミネラル豊富な給食について」

長く続く感染症対策で子どもたちの免疫力が落ちていることを懸念する声が医師などからも聞かれるようになりました。マスクを着用し続けることにより、常態的に酸欠不足であったり、口呼吸による体温調整が出来なかったり、表情が読み取れないことでコミュケーション能力の発達の遅れ、などが挙げられます。ウイルスの大きさではマスクを通過するので、あくまで補助的なものであることに対して、重症化リスクの低い子どもが一律にマスクを着用し続けることで、ストレスなども含めウイルス感染よりも感染症対策による弊害の方が大きくなっているようにも感じます。

また、除菌、消毒の徹底によりウイルスや菌を避け続けることで、本来備わっている免疫力が落ちているのではないでしょうか?

私たち人間の手や皮膚、喉、腸などには無数の菌が存在し、悪い菌が入ってきたらやっつけてくれます。日頃から土などに触れたり、身の回りの悪い菌と出会い、戦うことで免疫力は養われます。

そして、免疫力を上げる上で大切なことは「食」です。

「医食同源」という言葉があるように、食によって病気や癌になることもあれば、食によって体を調え病気を治すこともあります。

身の回りには栄養やミネラルが欠乏した食材、調味料が溢れ、原材料を見ると食品添加物や遺伝子組み換え作物(異性化され、表示はされていない)が溢れるようになりました。ゲノム編集作物も影を潜めています。

給食は食を通じて、楽しく学び、大人になってからも健康の指針となる最高の教材です。

今一度、調味料や扱う食材を見直し、ミネラル豊富な給食で免疫力を上げれば、感染を恐れない匝瑳の子どもたちになっていくと考えます。

本気で感染症対策を考えるなら、お金をかけるべきは、ここにあると考えます。

☆☆先行事例☆☆

香川県三豊市で生徒の体が弱いことに気づいた校長が食に着目しました。

8分搗き米、「あご、いりこ、昆布、椎茸」を粉末にした出汁、野菜の芯や皮、発酵食品をとり入れました。そして、生徒の体温を計測しました。

○正常体温(36.5℃以上 ※体温が1℃下がると免疫力30%下がると言われている)の生徒の割合

取り組み前24% →次年度 68% → さらに翌年 82%

○インフルエンザの延べ欠席数

取り組み前764人 →次年度172人 → さらに翌年1人

という結果が出ました。正常体温の生徒が増えるにつれ、インフルエンザで欠席する生徒の数がみるみる減っていったのです!

Q、給食で「だしパック」を使用しているが、内容はどのようなものか?

A、化学調味料は不使用。かつお、昆布、椎茸。 中華だし、ラーメンスープ、コンソメ粉末、ドレッシングにはアミノ酸等の調味料が含まれている。

Q、食養生やマクロビオティックの言葉に「一物全体」というものがある。「食べ物は全体で一つの命。それを余すことなくいただく」という考え方。それぞれの部分で栄養も違い、全体を食べることでバランスが取れる。大根や人参の葉っぱは栄養価が高く、何より美味しい! 食材を無駄にしないフードロスにもつながり、大事な食育となるが、玄米や野菜の皮、葉っぱを使うのはいかがでしょう?

A、泥や砂利が落とし切れているか点検に神経を使うことや、色の変色が傷んでいるのか正常なのか判断ができないため、皮や外側の葉を使用するのは困難。月1で玄米を1割混ぜて使用している。100%だとお腹に合わない生徒もいる。

Q、ぶづき米ならどうか?

A、ぶづき米は食味が落ちる。市内2つの米納入業者の大型の機械には、精米歩合を調整する機能がなく、対応ができない。

Q、砂糖、塩を精製していないものにするのは?

精製していないものにはミネラルが豊富。

精製した白砂糖は血糖値が急激に上がる。中毒性もあり、体を冷やす。

減塩という考え方は、精製した塩化ナトリウムでの話。

A、摂取基準に準じて摂取量を決めている。1人分の塩分は2グラム以下と決められている。精製していない砂糖は苦み等も含まれ、味の調整が難しくなる。価格も上がるので使用は難しい。

Q、ファイトケミカル(ベータカロテン、アントシアニン、リコピンなど、植物が外敵から自分の細胞を守るために作り出している成分。がん予防、老化予防、免疫力アップなど)が旬の野菜に多く含まれている。新型コロナウイルス地方創生臨時交付金の使い道として、文科省から「地産地消や国産物等を使用することも積極的にご検討ください」と通知が来ているので、地産地消率を上げるのはどうか?

A、さまざまな食材を地元より優先して購入している。臨時交付金については現在検討中だが、地産地消率を上げる努力は大切だと考える。

Q、ミネラルや栄養を摂取する足し算の考え方と、添加物など悪いものを摂取しない引き算の考え方がある。遺伝子組み換え作物やゲノム編集作物などを使用しない指針はあるか?

A、指針はないが、極力使用しない方向で進めていく。

→次回の匝瑳市食育推進計画で指針を明記するよう要望

Q、日本人の8割は乳糖不耐性とも言われており、体に合わない人も多い。 カルシウム2:マグネシウム1の比率でないと効率良く摂取出来ないと言われている。牛乳を選択制にするのはどうか?

A、「食事状況調査」の結果によると、給食のない日はカルシウム不足が顕著。学校給食摂取基準においては、牛乳が効果的。牛乳以外で同量のカルシウムを取ろうとするとたくさんの食材が必要になるので、牛乳を外すことは困難。

野栄の給食が全国学校給食甲子園で優勝した経験があります。この結果は、単に「美味しい」という観点だけではなく、地域と連携し地産地消を積極的に進め、食育に力を入れたことが評価されたことです。その時の管理栄養士の方が、レポートの中でこう記しています。

「現場で地域の人と地産地消に取り組み分かったことは、地域と学校をつなぐ給食は、関わる人を元気にするということである。(〜中略〜)一番重要なことは、そこに携わる人の取り組む姿勢であり、素晴らしい地域資源を持つ匝瑳市で、地域、行政、学校、家庭が連携して、子どもたちが地域に誇りと愛着を持つことができる地域循環型の学校給食を実現するようにしたい」

約10年前に書かれたものです。

この管理栄養士の方が4月から給食センターに戻ってきました。偶然にも、それを知る少し前に、この方の話を伺うためお会いしたので、とても嬉しく思いました。

センターは大型になり、出来ないこともあるかと思いますが、熱意のある方の取り組みを応援したいと思います。期待だけするのではなく、私も何か協力ができることがあれば協力したいと思います。周りの関係者含め、全体で協力体制をつくり、盛り上げていってほしいです。

こういった取り組み、人材が市の宝になります。

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