6月議会報告② 「拡大するオーガニック市場について」

今、世界でオーガニック食品、オーガニック製品の市場が急速に拡大しています。

※オーガニックとは‥‥有機栽培、無農薬栽培で作られたもの。商品としては、認定を受けなければ「無農薬」「オーガニック」「有機」などの表示が出来ない

より安心安全な食を求める声、栽培時の環境に配慮する考えなどから、欧米諸国、ブラジル、韓国などで急速に需要が増えています。フランスではエガリム法(給食や公共食堂における食材に関して50%が持続可能なものにし、そのうち20%はオーガニックにしなければいけない)が制定されました。

日本でもオーガニック市場が8年間で40%拡大しています。世界でも日本でもこれから需要は増していきます。

私自身も約10年前から家庭で使う食材をなるべくオーガニックに切り替えましたが、世の中の需要が高まっていくのを肌で感じてきました。

一方で、米価下落や化学肥料の高騰で農家の経営がどんどん圧迫されてきています。

日本全国で「給食をオーガニックに」という声が高まっていて非常に盛り上がっています。そこには、子どもたちにより安全な食べものを、という親御さんたちの思いがあります。

千葉県内では、いすみ市、木更津市が市としての方針を打ち出して注目され、地域の活性化、移住促進につながっています。

農水省でもみどりの食料システム戦略で「有機農地を2050年までに25%に」という目標を掲げ、動き始めています。

匝瑳市でも販路として給食での利用を確保し、国の補助事業や市でサポートすることにより、関心のある農家さんに有機農法(圃場の一部だけでも)への転換の選択肢を設けるべきだと提案いたしました。

これはあくまで1つの案であり、すべての農家の方に無理やり転換をさせるものではありませんし、今取り組まれている農法を否定するものでもありません。2050年に25%が実現出来たとしても全体の1/4です。

「有機関心はあるけど、販路のことや除草、抑草技術など自分だけで取り組むにはハードルがある‥」という方と、オーガニック需要、特に子どもたちの給食への利用を求める声とを合わせるものです。シティプロモーションや地域を盛り上げ、移住促進にもつながることなので、全面的に給食を切り替えなくても、取り組みやすいお米からとか、月1でもいいので定期利用を決める意義はあると思っています。

子どもを生まれたのを機に食に関心を持つ親御さんもいますし、自然豊かな場所を求めて移住してくる人は食への関心が高い傾向にあるかと思います。

現在の給食のお米 270円/kg

以前、匝瑳で有機米を使用した時の価格 370円/kg (提供してくれた農家の方のご厚意で通常の有機米よりは安い価格)

→価格差 100円/kg

匝瑳市の給食1食で使用するお米の量 250kg

1食につき価格差 2万5000円

月1で10ヶ月利用した場合(夏休みなどを差し引いたとして)、25万円/年

このような形で無理なく始めてみて、外部から注目されたり、地域が少しでも盛り上がったらいいなと思うのです。

Q、月1で利用はどうか?

→ A、いろんなものが高騰しているので、さらに価格が上がる有機米の利用は難しい

Q、お金を用意したら出来るか?

→A、斑点米などの除去が手間になり、2800食を時間までに用意しなければいけない給食センターでは難しい

とのことでした。斑点米が嫌がられる世の中の風潮があるのでカメムシ防除で農薬を使用しなければいけなくなっていますし、そこは教育で伝えていってほしいと願います。

今は色彩選別機で除去できますので、対応はある程度できるかと思うのです。

後日、給食センターで話し合いの場を設けてくださったので、引き続き進めて参りたいと思います。

Q、有機農産物を購入したい、という声もあるが、市内のお店には買えるお店がない。公共施設などでコーナーを設置できないか?

A、→まずはイベントなどで販売して反応を伺うのはどうでしょう

ふれあいパークなどでは年会費や販売手数料を払えば置くことは可能。元々、高い価格の有機農産物を売るにはネックかもしれません。まだまだ有機農産物の価格に対する理解が広がっていないようにも思いますし、まずはその方向で進めてみるのがいいのかもしれません。

ただ、すべての農産物の価格が安すぎるのではないかとも思うのです。全体の価格が上がれば、農家の方の収入ももう少し安定するのではないかと思うのですが、各家庭も家計に余裕がなく、他の大きな問題が絡んできます。

小さなことでも取り組むことができる目の前の1つ1つのことに目を向けていきたいと思います。

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