問:
匝瑳市の人口は今年の7月末現在で、33987人になった。
毎年5百数十人のペースで減っており、令和4年は、653人の減少。
際立っているのは、出生数の減少です。平成27年では、出生数236人でしたが、年々減り続け、令和4年では126人。
10年経たずして、出生数約100人の減少である。
また社会動態を見ても、多いのは転入者より転出者。毎年、出ていく人数が100〜200人程度多くなっている。
匝瑳市では、この問題をどう捉え、どのような対策を今後していくのか?
答:(市長)
人口減少対策としては、第2次匝瑳市まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づき、若者の雇用を創出する事業、定住を促進する事業、結婚・出産・子育ての希望を満たす事業、地域とつながる事業を実施しているところ。
また、従来の事業に加え、今年度からは若者の定住促進のための「結婚新生活応援事業補助金」、都市部からのUIJターン希望者などの移住を促進するための「移住支援事業補助金」を開始した。
今後も、有利な財源の確保に努め、若者や子どもたちが住み続ける匝瑳市の実現に向けて、取り組んでいく。
●再質問●
◎1、人口減少は日本全体の問題であり、国が対策をしていかない限り減っていくこと自体は致し方ない部分もある。問題は、出生数が急激に減り、子どものいないまちになってくると、そのまちに未来はないと思う。
U IJターン転入者を増やしたり、産前産後のサポートを手厚くして、子どもを産みやすい、子育てしやすいまちづくり、「匝瑳で子どもを育てたい!」と思うような、まちづくりを目指して欲しいと願うところである。
私が1つ着目したいのは、匝瑳市は人口は減っているものの、世帯数か増え続けているところ。
子育て世帯で言えば、核家族が増えているということ。
移住転入者は大抵は核家族。だから、核家族の子育て世帯が助かるような支援が充実していくと、移住検討している家族が、「匝瑳市で安心して子育てをしようと思える」のではないか。
核家族だと、子育ては夫婦2人だけでどうにかやっていかなければいけない。子どもが急に熱を出せば、どちらかが仕事を休まないといけない。
この点については、思いのある事業者の方が今年から病児病後児保育の施設を始めていただいた。これは本当に貴重で有難い。
それに加えて、ファミサポのような家事育児支援があると助かると思うが、現段階ではそういった取り組みの検討はどうなっているか?
答:
現在、市の子育て支援に係る施策等については、「第2次匝瑳市子ども・子育て支援事業計画」に定めた、「子育てをみんなで支えるまちづくり」、「子どもを健やかに育む保護者を支えるまちづくり」、「子どもが安全で、安心して子育てできるまちづくり」の3つの基本目標に基づき、計画に位置付けた事業の実施に取り組んでいるところである。
ファミリーサポートセンター事業の実施についも、当該計画の中で、地域資源活用による子育て支援事業として検討していくこととしており、これまでも、匝瑳市子育て支援対策委員会におきまして、当該事業について協議を行っている経過もある。
今後の方針については、第2次匝瑳市子ども・子育て支援事業計画の期間が令和6年度に終了することから、次期計画の策定に向け、今年度中に子育て支援のニーズ調査を実施する予定としている。
この調査においても、子育て世代の新たなニーズ等の実態把握に努め、子育て支援の充実に向けて取り組んでいきたいと考えている。
◎質問2
市民のニーズとしては、経済的な支援を求める声も大きいかと思う。
新たに実施する調査によって、「今、市民が求めるニーズ」が見えてくる。それが施策にしっかりと反映されると、調査に協力した市民も「あぁ良かった!」と思えるし、もっと協力しようという気持ちにつながってくる。
行政と市民の連携でまちが作られていくと歯車が噛み合うように、いろんなことが良い方向に展開してくんじゃないかと私は思う。
その中で、核家族向けの支援は、ひとり親世帯はもちろん、近くに祖父母が住んでいる世帯でも助かると思う。実際、病児病後児保育も祖父母が同居している家庭でもありがたがられる、とお話しを伺ったところ。そういった支援を、今後も検討のテーブルに乗せていただくようお願いしたい。
そして、子どもが生まれたら、しばらく子育ては24時間休みがなくなる。
しかし、どうしてもママの方に、負担が偏りがちで、それが原因で鬱になってしまったり、離婚につながるケースもある。
地域で支えることも大事だが、まずは世の中全体で男性の積極的な育児参加が必要であると考える。
行政からも積極的に育児休業が取れる環境を作っていくことが大切だと思うが、
市役所職員の育児休業について、男女別の取得状況は?
答:
病院事業の職員を除き、令和4年度中に新たに育児休業の取得が可能となった職員7名のうち、5名が育児休業を取得した。
男女別だと、男性職員は4名のうち2名が、女性職員は3名のうち3名全員が育児休業を取得している。
◎質問3
時期は未定だが、政府が、育児休業給付金を80%、実質10割に引き上げることを検討しているので、積極的に育休を取るべきだと私は考える。
現在、制度としては、もちろん育児休業が認められているが、職場の雰囲気も大事。穴を開けたら、同僚に仕事の負担がいってしまうんじゃないか、とか、そんな心配をせず、育休を取れる職場の雰囲気づくりも意識していただきたい。
それから、匝瑳市は子育てに関する課が年齢によって、分散している。子育て支援課を編成し、しっかりと子育て支援に力を入れていくべきだと考える。
そして、課の担当職員には、子育て中の当事者を積極的に配置することで、自分事として、行政に求める支援、痒いところにも手が届くようなサービスができると思う。
現在、課の編成についてはどのようになっているか?
答:
子育て支援に特化した課の設置については、今後の本市における子育て支援の充実化を図るため、現在、庁内組織であります匝瑳市事務改善委員会等において、専門職等の配置を含めて、設置の検討を行っているところ。
◎質問4、
2030年、2035年の「0歳〜14歳の年少人口の推移」はどうなっているか?
(5歳ごとの幅も)
答:
国立社会保障・人口問題研究所の「日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)」によると、
●2020年が、3,471人であるのに対し、
2030年では2,769人、
2035年では2,420人。
年齢ごとでは、
●0歳~4歳までが、
2020年が863人
2030年では786人
2035年では、691人
●5歳~9歳までは、
2020年が1221人
2030年では910人
2035年では810人
●10歳~14歳までは、
2020年が1387人
2030年では1073人
2035年では919人
⇨子どもがどんどん減っていきます!
年少人口が2020年から10年後の2030年では700人減少。
2035年では2020年と比べて1000人減少。
そして、教えていただいた5歳ごとの値を5で割ってみると、2030年で1学年だいたい150人〜210人ということに。
あれ、そんなにいるかな?実際どうなんだろうな?と思い、確かなことがあるので、1つ調べてみました!
平成28年〜令和2年生まれの子が2030年には10歳〜14歳になるので、
平成28年〜令和2年の5年分の出生数を足してみました。
すると、854人。
推計では2030年の10〜14歳が1073人だったので、実際の数との差は219人。社会動態でこれからどうなるかわかりませんが、この推計よりかなり減少しそうです!
2018年に出した推計が、5年で既に差が出てきています。
そして、今年度の出生数を市民課に尋ねると、4月〜8月の5ヶ月で41人。
平均値で1ヶ月8人。確定値は少し変動があったりするので年度が終わってみないと分からないとの回答だったので、年度途中で語るのは早いのかもしれません。ですが、私は匝瑳は今、緊急事態ではないでしょうか!!令和4年の出生数が126人でだいぶ減ったなぁと感じでしたが、令和5年はもしかしたら100人いかない可能性だってあります。
この危機意識を全職員が共通認識として持って欲しいんです。
◎質問5、
対策をしようとしても、5年後、10年後に子どもの数がガクンと減ってからでは、「時既に遅し」となるかもしれない。
市民の税金は大事に使わないといけないが、「”今”、テコ入れをしていく必要がある」「”今”、やる必要がある!」と考える。
子育て予算の拡充や、子育て世帯にもっと満足してもらえるような新たな子育て支援策、あるいは、現状の取り組みや地域の魅力を都会の子育て世帯向けに、目に留まるようなものをピックアップして、分かりやすいPRをしては?
答:
シティプロモーションの観点から、まずは目にひくようなチラシを作成し、移住イベント等で配布していきたいと考えている。
⇨
やれることは他にもいろいろあります!
例えば、公園の遊具を設置することがあれば、公式LINEも始まるので、どんな遊具を設置して欲しいか市民のニーズを聞いたり、不妊治療で悩んでいる方へのサポート、あるいはこの地域の特色を生かした教育など、考えればたくさんあります。
子どもは「地域の宝」。子どもがいない地域からは活気が失われていきます。
市長は先日、ふれあいセンターで開催されたベビーファースト運動のイベントに参加、登壇されました。
青年会議所が提案する、「子育て世代が子どもを産み育てたくなる社会」の実現 に向けたベビーファースト運動ですが、その中で、匝瑳市が千葉県の市町村では初めてとなる「ベビーファースト宣言」をされました。
大事なことは、子どもを産み育てたくなる社会。
それには、行政だけの力では限界があります。
地域の企業、団体、市民を巻き込んで、そういう社会の雰囲気を作っていく。
行政は、いろんな人を巻き込む名人になってもらえると、大きな力になると思うんです!
取り組むべき問題は大きいとは思いますが、それゆえ解決に向けて、立場を超えて、「今」匝瑳は動いていかなければいけないのではないでしょうか。
◎質問6、
検討段階のことについては、なかなかまだ言えない部分もあるかと思いますが、市長のお考え、お気持ちとして、「匝瑳市をこうしていくんだ!」というものを最後にお聞かせいただけますか?
答:「市長」
先日、JC(青年会議所)が企画したベビーファースト運動で、私も「子どもを産み育てたくなる社会」の実現に向けて、やはり企業、行政、そして個人が一体となって、みんなで取り組んでいこう、ということで、千葉県内で初めてとなるベビーファースト宣言をさせていただいたところであります。
その中で少子高齢化というのは匝瑳市の喫緊に取り組まなければいけない一番の課題であると共に、特に若い世代が流出してしまうところが、やはり問題であると、しっかりと歯止めをかけるということを、これから予定しているインターチェンジ周辺の産業用地の整備も1つの柱でありますが、そういったことを通しながら企業を呼び込む、そして人を呼び込むことで、しっかりと税収も上げて、子育て支援の充実を図りながら、今住む人が幸せに暮らし、若者や子どもたちが住み続ける地域づくりの実現に向け、しっかり子育て世代のニーズも把握しながら、誰もが子育てしやすいと感じられる、そして子育てのしやすさが誇れるような、そんな自治体になっていきたい、その実現に取り組んでまいりたいので、今後ともご協力をどうぞよろしくお願いします。
⇨
今、バスケットボールの日本代表が話題になっていますが、強さの秘訣は、スター選手だけを揃えるのではなく、それぞれ専門性を持つ選手を揃えた「チーム力」だそうです。
匝瑳市役所も職員それぞれの専門性を活かし、チーム力で課題を解決していけるような市政運営をお願いします。
そして、思い描くビジョンをなるべく多くの人と共有しながら、それぞれの立場の人が、市民も含めてですね、自分の出来るアクションを積極的に起こしていくようなムーブメントになることを願っています。