9月定例会 一般質問②「子育て支援と児童虐待防止策の推進」

子どもを授かるというのは、とても大きな喜びであり、子どもは幸せをたくさん運んでくれる存在です。

街中で笑いあう親子の姿は、とても微笑ましく、見てる方も幸せな気持ちになります。

ですが、初めての子育てでは、ママ、パパも初心者。何もかも初めてで喜びと共に、不安もたくさん抱えています。

幸せそうに見える姿は、ほんの1コマ。

24時間絶え間なく子どもの面倒をみて、休みがなく、寝不足で、体力も奪われ、ヘトヘトになりながら育児をされている方も少なくないでしょう。

例えば、核家族であれば、どちらかが働きに出ると、もう片方が家事育児をすべて1人でやらなければいけないワンオペ状態になり、疲弊していきます。

ひとり親であれば、祖父母と同居していればまだ良いですが、本当にひとりで育てている方の負担というのは、計り知れないほど大きなものです。

親の介護と育児を同時にやられてる方もいらっしゃるでしょう。

そういった状況で子育てをしている方々は、少しの間だけ面倒を見てもらうことも出来ず、子どもの面倒を見ながら料理をしたり家事をしたり、やっと休憩しようと思ったら子どもが泣いたり‥、ほっと一息つく暇もなく、絶え間なく続く子育てと毎日格闘しています。

「子どもは社会全体で育てていくもの」

子育て支援の充実は、こうした子育てに対する負担を軽減するとともに、出生率の低下、人口減少に歯止めをかける大事な施策になります。

経済的な理由もありますが、「子どもを産みたい」と思える人が減ってきているのです。

安心して子どもが育てられるような社会を作っていかなければいけません。

日々、子育てに追われている親御さん、特に核家族やひとり親世帯というのは、物理的にも精神的にも孤立しがちです。

せっかくの支援も活用されず、追い込まれていくことがあります。

育児に疲れてもSOSが出せず、追い込まれ、育児放棄や虐待、または無理心中に至る悲しいケースもあります。

それらの多くのケースは、親が未熟だとか、我慢が足りないとか、そんなことでは決してありません。

親を問題視して批判することは間違っています。

誰しもが、なり得ることなのです。珍しいことではありません。

必要なのは救いの手です。

千葉県には児童相談所が全部で7ヶ所ありますが、その中でも人口の多い地域では定員を超過する傾向にあります。千葉市にある中央児童相談所では、定員55名に対して、現在その倍以上の120〜130人を受け入れているそうです。保護される児童の数が、千葉県全体でも年々増加しており、児童相談所の各施設が増設、増員の流れにあります。

匝瑳市内にも、さまざまな事情があった子を里親として預かり養育する、ファミリーホームを運営されている方がいらっしゃいます。児童養護施設とは違い、「より普通の暮らしに近い形で」ということで一般的な住居、普通の一軒家でやられています。現在、数名のお子さんを養育されていて、少し前には小さな赤ちゃんも一時的に預かったそうです。ファミリーホームという形態は東総地域では他になく、普通の暮らしができる唯ひとつの受け入れ先として、とても貴重な存在となっています。

絶え間なく続く育児で疲弊すると、普通の精神状態でなくなり、つい子どもに強く当たってしまう、手が出てしまう。または、育児放棄してしまう。

それらの行動は親本人の本来の意思とは逆なことが多いのです。

そうならず、ギリギリのところで、堪えられた。そういう人もたくさんいるでしょう。

堪えられた人も、周りに支えがあったり、気分を切り替えることができ、踏ん張れた。その連続です。

悲しい事案をこれ以上生み出さないために、そして、「安心して子育てができる」と思えるように、さらなる子育て支援が必要だと考えます。

Q1、市内でファミリーホームという形態でされている里親の活動をその目で確かめるため、そして、励ましや応援にもなるので市長自ら訪れてみてはどうか?

A1、以前から内山議員(私)から提案していただいているので、先日訪問させていただいた。ファミリーホームは東総地域では他にない貴重な存在。千葉県では「菜の花家族」という名称を広めようとしているというのを伺った。今後も協力していきたい。

Q2、「おむつ宅配」を提案する。単におむつを届けるだけではなく、情報共有をはかり、支援やサポートに繋げることによって、孤立化、育児放棄や虐待を未然に防ぐことができる。

A2、支援を必要としている方々のところへ出向いて、適切な支援を行うことは、福祉サービスの向上のほか、虐待予防にもつながる。先進事例を参考に調査研究をしていきたい。

Q3、隣の旭市では「おむつ券」を配布していて、匝瑳でもやって欲しいという声がある。経済的な負担も大きいので「おむつ券」は喜ぶと思うが?

A3、子育て支援対策委員会で継続的に協議を行なっているところ。

Q3’、導入にあたって懸念事項は?

A3’、財政の確保が課題。

Q3”、旭市は月に3000円分を2年間だが、財政的に厳しければ、1年だけでもいいし、月に半分の1500円からでも検討して欲しい、と要望しました。

Q4、家事などを代行してくれるファミサポ(ファミリーサポート事業)があったら負担が軽減すると思うが

A4、子育て等の負担を軽減を図れる取り組みであると認識している。調査研究してまいりたいと考えている。

Q5、「つどいの広場」や「子育て世代包括支援センター」のホームページの情報が少ない。写真などの情報を充実させ、「利用しやすい」「利用してみたい」と思えるような内容に更新して欲しい。

A5、利用しやすい雰囲気づくりは効果的だと考える。ホームページを所管する秘書課と検討していきたい。 →議会終了後に、「早急に対応したい」との回答をいただきました。

議会では、時間の関係でここまでの質問になりましたが、事前ヒアリングでは、もう1問ありました。追記します。

Q6、妊娠〜出産〜半年くらいはサポート体制が手厚いが、1〜2歳やそれ以降も大変!

1歳の誕生日はとても特別に価値のあること。1歳になったら、市内産有機米や有機野菜セットのプレゼントをするのはどうか?

※有機の意味は、単に無農薬ということだけではなく、「体の各部分が繋がりあって、連携、補完しあっていること。「多様な価値観、生き方を認めること」

A6、新たな子育て支援策の一つとして、参考にさせていただく。

今回、いくつか提案させていただいたものは、予算も必要な事業なので、即断するのは難しいと認識しています。

今後、さまざまな角度からの支援策を検討し、充実させて欲しいと思います。

子育て世代からの「お願い」ではなく、「SOS」です!

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