6月一般質問① 子どもの選択肢「校則」

日本は、食料やモノが豊富で、恵まれている国である一方、子どもの自殺の数が世界でトップクラス、しかも毎年増加傾向にあります。

不登校の小中学生の数も増加傾向にあり、最新の統計である2021年度では過去最多となる

24万4940人になりました。

顕在化している数だけではなく、登校こそしているものの、思い悩んでいる児童も多くいるのではないかと予想されます。

自己肯定感を持つ子どもの少なさも問題になっています。

自分という個を消して、集団生活の中で周りに合わせ、はみ出さないように生きる窮屈さを感じている子どもや、何のために勉強するのか、テストで高い点数を目指す意義が見出せない子どもも多いのではないでしょうか?

子どもは、みんな違う感性を持っています。「違い」があるこそ、個性が光り、それぞれの可能性が伸びていきます。

大人の価値観を押し付け、個性や可能性を削ぎ落としてしまわないように、子どもの目線に立った取り組み、対策が求められます。今を生きる子どものための「子どもまんなか社会へ」。大人たちも価値観をアップデートしていきましょう。

「校則について」

昨年の2022年12月に、文部科学省が生徒指導の理論、考え方をまとめた、生徒指導提要の改訂版が12年ぶりに出されました。中でも、校則の在り方の変更に注目が集まっています。

一部抜粋します。

「校則を守らせることばかりにこだわることなく、何のために設けた決まりであるのか、教職員がその背景や理由についても理解しつつ、児童生徒が自分事としてその意味を理解して自主的に校則を守るように指導していくことが重要です。」

とあります。

さらに、学校内外の関係者が参照できるように、制定した背景を含め、学校のホームページ等に公開しておくことや、その意義を説明できないような校則については、現状に合う内容に変更する必要がないか、本当に必要なものか、絶えず見直しを行うこと。そして、見直す場合に、どのような手続きを踏むのかも示しておくように書かれています。

今の時代に合った内容であり、生徒が自分事として考え、おかしい決まりは主体的に変えていく、という教育の観点からも賛同できるものです。

Q、匝瑳市教育委員会では、どのように対応していくのか?

A、匝瑳市でも「児童生徒の参画」を意識した校則の見直しが実施できるよう、準備を進めるとともに、9月ごろを目途に学校のホームぺージへの校則の公開に向けて、自校の校則についての見直しを現在、進めている。
校則の見直しについては、児童生徒が主体的に参加することで、生徒指導の目的とされる「自己指導能力」の育成が図れるよう、各学校へ働きかけていく。

Q、中学生の自転車や雨具についても、決まりがあるならその旨、無いなら無いと示して欲しい。

A、新入生説明会資料に詳しく記されている。質問があれば、学校に問い合わせていただければ対応している。

⇨新入生説明会のタイミングでは遅いので、いつでも分かるようにして欲しいと要望します。ランドセルが義務じゃないことも同様です。

Q、大切なのは、生徒が自ら考えること。

「大人になれば、どんな服装をすれば自分にとって有利なのか、TPOが問われます。その場に合わせた服装をするのか、あるいは自分が表現したいことを貫くのか、いろんな判断が求められる。

しかし、周りの大人があれこれ口出しすれば、「考える機会を奪ってしまう」。

私は、「中学生だからこそ、たくさん失敗していい」と考える。

文科省の方針が変わったことを生徒たちも情報共有して、改めて校則について考える場を設けてはいかがか?

A、今までも、各校において生徒指導部会を中心に学校生活のきまりについては、見直しも含めて毎年、話し合いをしている。今後も、各校において自主的な活動が行われるものと考えている。

⇨校則を見ると、男子は髪を短く、という内容がありますが、今の時代、男子だから髪を短くしなさい、というのも考えなければいけない時が来ていると思います。大事なことは、勉強や運動に邪魔にならないこと、です。

そして、防寒着として、カーディガンが禁止されている学校もありますが、セーターやパーカーが良くて、カーディガンがダメな理由はなんでしょうか?

ぜひ、活発な議論が交わされることを望みます。

〜〜〜

海外から日本に来た人がいます。海外では学校の服装なども自由で好きなものを着て、のびのびしていたのに、日本に来て、みんなが同じものを身につけていると、たとえそれが義務や決まりじゃなかったとしても、子どもはそれ以外のものを身につけようとは思わないそうです。

子どもはみんなが同じだと、はみ出すのを嫌がります。

今の子どものマスクがそれを物語っていますよね?

●日本財団による世界6カ国の17~19歳を対象に行った調査(22年)があります。「自分の行動で国や社会を変えられると思う」という問いに対して、

インド78.9%

韓国61.5%

米国58.5%

など、軒並み50%以上なのに対して、日本は、26.9%と、ダントツの最下位。

おかしいと思うことに対して声を上げても変えられない、という

無力感や諦めが日本の閉塞感や政治への関心の無さにつながっているのではないでしょうか?

それは打破していかないといけない。そのためには、子どもたちには、

「不平や不満があったら自分達が主権者として変えられるんだ」という成功体験が必要だと思うんです。

これからは、AIやロボットが活躍する時代です。

指示通りに動くのは、ロボットの役目。

人間は、自ら意志を持って主体的に動く。

そして、困難な時代にも柔軟な発想で乗り越えていける世代を育てていく必要があるのではないでしょうか?

教育には、その力があります。

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