政府が発信するマスク着用を推奨するガイドラインに則って、公共施設や民間のお店などでマスクのルールが決められています。
ですが、市民の認識と厚生労働省のガイドラインとで齟齬が生じているように感じます。
実際、岸田首相も加藤厚生労働大臣も「政府が発信しているマスク着用のルールについて国民と共有できていない」という内容の発言をされています。
厚生労働省のガイドラインでは、
屋外は「原則不要」、
屋内は「人との距離が保てて、会話をほとんど行わない場合は不要」
です。
マスクは “飛沫対策” であり、これらの場面については、「マスクをしていても効果がない、または効果が薄い」から不要なのです。
ですが、未だに屋外でも多くの方がマスクを着用し、屋内は人との距離に関わらず原則着用するルールになっています。
そして、マスクのルールが一番厳しいのが学校です。
「息苦しさや酸欠による頭痛。顔を隠すことによるコミュニケーションの阻害など、発育途中によりマスクの弊害を受けやすい子どもたちが、ほとんどの場面でマスクをしています。
外してもいい、と言われても外さない子も多くいます。
外せない雰囲気があるのです。
これを変えるには、大人たちから変わっていかなければいけません。
個人の着脱は自由ですが、公共的なルールとしては、むやみに厳しくせず、厚生労働省のガイドラインに則って、感染リスクの低い場面ではマスクを外し、メリハリをつけていかなければ、マスク社会からは抜け出せません。
そこで、改めて厚生労働省のガイドラインを再確認し、着用を推奨する場面と着用の必要がない場面を行政から示して、メリハリをつけていく必要があると考えます。
★屋外 厚生労働省のガイドライン↓
「他者と身体的距離(2m以上を目安)が確保できない中で会話を行う場合のみ着用を推奨。
距離が確保できなくても、会話をほとんど行わない場合は、マスクを着用する必要はありません。」
Q1、市が主催の屋外イベントで、よっぽど近い距離で何かやるようなものでなければ、マスク不要でもいいのでは? (ウォーキングイベント等)(もちろん着けたい人は着けてOK)
A1、開始時の挨拶や説明など、人が集まる場面ではマスクを推奨するが、ウォーキングがスタートしたらマスクを外してもいい旨、参加者には案内していく。(着用したい人はしてもOK)
Q2、小中学校の登下校時に未だ多くの生徒がマスクをしている。よっぽど近くで喋らなければ不要なのでは? 匝瑳市教育委員会の現在の方針では「2m以上離れて、会話を行わなければ外してもよい」だが、距離が取れなくても喋らなければ不要であり、マスクをしても意味がないと考える。
A2、厚生労働省のガイドラインを参考に検討していきたい。
Q3、学校では、屋外でも「原則着用」で厚生労働省のガイドラインとかけ離れている。
体育の授業でも、走る時だけ外していいと言われている学校もある。
外してもいいと言われても、多数の生徒がマスクを着用したまま、かけっこをしている。
離れて見守っている先生もしている。
これではいつまでも「マスク離れ」出来ません。
自分たちでマスク社会を作り出している。
屋外は原則不要です!
先生は、子どもたちのお手本になる。
必要のない場面では、先生が率先して外すべきでは?
A3、マスクを外してもいい場面では、声をかけている。最終的には生徒本人や保護者の判断に任せている。先生は、説明などをするためマスクを外すのは難しい。
Q4、学校の先生方は、外してもいいと言われてもマスクを外さない子がたくさんいることをどのように捉えているのでしょうか?
先生方は、マスクを着用し続けることによって、酸欠になったり、頭痛を引き起こしたり、表情が読み取れず発育に悪影響を及ぼすことなど、マスクの弊害についての認識はあるのでしょうか?
A4、先生方もマスクの弊害を認識している。外すことも無理強いすることはできないので、個人の判断を尊重している。
★屋内
「人との距離が保てて、会話をほとんど行わない場合は不要」
Q5、市役所など公共施設内は、目的の場所まで行く時は、必要ないのでは?
A5、人が行き交い、距離が保てないので現状維持でいきたい。(原則着用)
Q6、厚労省のガイドラインで、図書館は着用の必要がない代表的な例として挙げられている。八日市場図書館、野栄図書館で、
本を選んだり、読んだりする場面では必要がないのでは?(咳エチケットは必要)
A6、本を選ぶ時は、人との距離が保てない場合もあるので、着用をお願いしたい。
座って本を読む時は、外してもOK。そのように案内していきたい。
Q7、学校の図書室も必要ないのでは?
A7、生徒個人で利用する場合は、管理が行き届かないので、着用をお願いしたい。
授業で先生が引率する上で、静かに読書をする場面では外してもいいように案内したい。
Q8、文部科学省が出している学校の感染症対策のマニュアルには、「黙食」という文言はない。
・「机を向かい合わせにしない、大声での会話を控えるなどの対応が必要です」と記されている。
11/29付で、文科省から全国の教育委員会への通達には、
・「座席配置の工夫や換気の確保などの対策をとっていれば、給食の時間に児童・生徒などの間で会話を行うことも可能」とある。
黙食を見直すべきでは?
A8、検討しているが、現在、市内の生徒で感染者が増えているので、しばらく見合わせたい。
Q9、
10/14付の厚生労働省から各都道府県へ事務連絡の中で、「本人の意に反して、マスク着脱を無理強いすることのないよう周知願います」とある。
ここが一番大事だと考える。
マスクは推奨であって、義務ではないのに、一律に求められ、同調圧力で、外したい人が外せなくなっている。
さまざまな理由でマスクを着けたくない人も一定数いる。
声を上げている人もいるが、先生と対立したり関係が悪くなるのを懸念して言えない保護者もいる。
先生方や保護者(マスクルールを厳しくさせようとする保護者もいる)は、マスク着用による弊害や本当は着けたくない、子どもに着けさせたくないと思っている人がいることを認識しているか?
A9、
先生に周知はされている。
教育委員会にも保護者からマスクについて相談が寄せられることもある。先生方は無理強いすることはない。
Q10、同様のことが保育施設でも周知されているか?
A10、保育士の先生方は認識している。
Q11、マスクを着けられない人や着けない人に対して理解を示すように案内を出す自治体が多くある。
最近では埼玉県教育委員会が「マスクでの差別をしないこともコロナ対策のひとつです」と発信している。
今、直面している災難、課題に対して、
ただの災難として耐え忍んで終わるのではなく、さまざまな考え、事情があることを考える良い学びの機会として、子どもたちに伝えることも大事だと思うが、そういったお互いの考えを理解する通知を出すべきでは?
A11、検討していきたい。
まとめ
まず、基本的にマスクは「飛沫対策」です。
喋ったり、咳やくしゃみをしなければ、あまり効果はありません。
(保温や保湿など別の理由で使用したりもしますが)
そして、他人へ感染させるためには一定量のウイルスの曝露(飛沫を浴びさせる)が必要と言われています。
無症状感染者を恐れて、「もっと厳しく」と訴える方もいるかと思いますが、ウイルスは感染し体内で増殖(有症状の状態)しなければ、リスクはそれほど高くありません。
最近では、マスクの素材別に、感染するまでの時間を研究したところもあります。
「お互いマスクなしで至近距離で会話をして15分」
だそうです。
濃厚接触者の定義に「マスクなしで1m以内で15分以上会話をしたら」というものがあります。
「マスクをしなければ一言も喋ってはいけない」など、過度に怖がる必要もないのではないでしょうか?
コロナの分科会委員の方からも季節性インフルエンザよりコロナ第7波の方が、重症率、致死率共に低い資料が提出されました。財務省でも同様の資料が。静岡県でも県独自に集計し、同じ結果が出ました。
コロナがなくなることはなく、これからも感染者の増減を繰り返すと思います。
大事なことは、リスクの高い場面できっちり対策をする(換気のとれない場所で大人数で長時間の会食など)。リスクの低い場面では、それほど過敏にならずとも良いのではないかと思います。リスクの低い場面でのマスクの着脱は、感染者の増減には影響がないと考えます。
これまでコロナは、変異を続けてきました。
次に変わるのは、このウイルスに対する人間側の捉え方、私たちの意識の方ではないでしょうか?