ー登壇質問ー
人間が地球上で持続的に生存していくために地球環境が許容できる限界を項目ごとに示したプラネタリーバウンダリーでは、9項目中、生物多様性の損失、新規化学物質など、6つの項目で既に限界を超えており、地球環境は危機的な状況に直面しています。今、人間の経済活動の在り方が問われているのです。
元来、自然界には廃棄物という概念が存在しなかったと言われています。それは、あるものが排出した廃材も別のものにとっては有益な資源として活用され、役割を持ち続けられる完璧とも言える仕組みが出来上がっていたからです。
私たち人間は、産業革命以降、特に自然界の循環に本来存在しなかった数々の人工物を生み出してきました。それらは一つの役割を全うした後、私たち人間が手をかけなければ次の役割を担うことができず、自然界では発生し得なかった廃棄物になってしまいます。
大量生産・大量消費型の経済活動は、同時に大量廃棄を生み出し、役割を失った廃棄物が人間社会にも自然界にも、もはや無視できない程度にまで影響を及ぼすようになりました。
例えば、プラスチックごみ。環境省の令和元年版環境白書によると、1950年以降に世界で生産されたプラスチックは83億トンを超え、そのうち63億トンをごみとして廃棄、毎年約800万トンのプラスチックごみが海洋に流出しているという試算があり、2016年の世界経済フォーラムでイギリスのエレン・マッカーサー財団が発表した報告書によると、2050年には海洋中のプラスチック量が魚の量以上に増加すると言われています。
今後、世界人口の増加や資源の枯渇が見込まれる中、自然界から深く学びながら、何かが何かの資源として役割を持ち続けられる仕組みづくりを実践することで、実質的に廃棄物を生まない社会構造の根本的な改革が今私たちに求められています。子どもたち、次の世代がこの地球で生きていくためには、私たち大人が責任を持って、持続可能な社会モデルにしていく必要があります。
これまでの作って捨てる一方通行の直線型経済モデルから、使い続ける循環型経済モデル、サーキュラーエコノミーへの移行を目指すことが世界的に加速しており、欧米では、いち早くサーキュラーエコノミーへ移行した企業やビジネスモデルが、環境への負荷を大幅に下げつつも新たな経済利益の創出やコストカット、リスク回避につなげる実績を出しており、アップルやユニリーバ、アディダスなどのグローバル企業もサーキュラーエコノミーへの移行を本格的に進めています。
例えば、アディダスの取組。ごみという概念自体をなくしていきたいということで、これまでリサイクルを阻害していた接着剤を使用せず、ソールや靴ひもを含め、全て単一素材で作り、販売ではなくリース式にして、利用者に廃棄させず返却を促し、回収した使用済みシューズを丸ごとリサイクルすることで廃棄を出さず、新しい資源を調達せずとも再びシューズを生産できる体制を整えつつあります。
サーキュラーエコノミーは、環境問題に対する企業の社会的責任だけでなく、経済面でも合理性があり、環境への負荷を年々減らしながら事業の成長につなげることができる経済モデルなのです。
日本でも2020年に経産省が循環型経済ビジョン2020を公表し、サーキュラーエコノミー政策の基本方針が示されました。翌2021年には、経産省、環境省及び経団連とともに、循環経済パートナーシップを立ち上げ、2023年には環境省と経産省でサーキュラーエコノミーに関する産官学のパートナーシップを発足、立場を超えて連携をしながら循環型の持続可能な仕組みへの移行を目指しています。
自治体レベルでは、鹿児島県大崎町がいち早く2021年にサーキュラーヴィレッジ・大崎町というまちづくり計画を打ち出しています。大崎町は、全国で12年間、リサイクル率1位の自治体で、全国平均の19.6%を大幅に上回る84%を再資源化、家庭から出る生ごみも完全堆肥にして販売しています。
関東では、横浜市がサーキュラーエコノミープラスという指針を打ち出し、Circular Yokohamaというプラットフォームをつくって、官民が連携することで様々な取組に展開させています。ほかにも、川崎市、八王子市、日野市などが民間企業のジモティーと連携し、実店舗であるジモティースポットを設置、市場的価値の低いもの、しかし、まだまだきれいでしっかりと使えるものを引き取り、次の必要としている人の手に渡っています。リユース率はおおむね95%以上。川崎市では、1か月に1万3,000点が持ち寄られ、50トンのごみ削減に成功、同時に、ごみの削減量や海洋プラスチック問題を店舗に掲示して、市民意識の向上を図っています。
世界、そして日本でも作って捨てる直線型経済モデルから使い続ける循環型経済モデル、サーキュラーエコノミーへのいち早い移行が求められています。
「めぐる」という意味のある字を市名に持つ匝瑳市こそ、循環型の経済モデル、社会モデルを積極的に目指すことで市のブランディングになるとともに、過剰な消費活動によって資源や家計をすり減らしていくのではなく、ものとともに豊かさをめぐらせ、暮らしやすいまちをつくっていくことができるのではないでしょうか。
また、行政だけの力では限界があります。プラットフォームの立ち上げやジモティースポットを設置するなど、官民連携の取組を積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。見解を伺います。
○市長
私からは、作って捨てる直線型経済モデルから使い続ける循環型経済モデル、サーキュラーエコノミーへの移行と「めぐる」という意味のある字を市名に持つ匝瑳市が目指すことで市のブランディングにもなるのではないかということについてお答えさせていただきます。
市といたしましては、循環型経済モデルの形成、サーキュラーエコノミーへの移行については、廃棄物の削減やリサイクル率の向上等、資源循環を促進することで環境負荷の軽減及び経済の活性化等に発展することから、非常に有効な取組であると認識しております。また、議員御提案のとおり、官民連携の取組については、行政、企業、市民団体等がそれぞれの強みを生かすことで、より効果的な施策を立案、実行することが期待でき、あわせて、地域経済の活性化、雇用の創出、地域ブランドの確立に貢献できることから、今後、先進事例を参考に調査研究してまいりたいと考えております。
ー再質問ー
① 数々の国際的な機関の調査が示すように、このままの経済モデル、社会モデルでは持続不可能なんですね。やはり仕組みづくりが大切で、いち早い循環型社会への移行、サーキュラーエコノミーへ変えていく必要があると思います。
登壇で紹介したように、プラットフォームの立ち上げやジモティースポットを設置するなど、官民連携の取組を積極的に取り入れていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
回答(環境生活課長):サーキュラーエコノミーに関するプラットフォームの立ち上げやジモティースポットの設置等、官民連携の取組につきましては、市長答弁にもございましたけれども、地域経済の活性化や地域ブランドの確立等に有効なものであると認識をしております。先進事例を今後、参考に調査研究してまいりたいと考えております。
先進事例を見ていただくと分かるとおり、今、面白い動きが本当に各地で始まっているんですね。私はわくわくするんですけれども、匝瑳市でもそんなわくわくする取組が始まってほしいなと思います。
そして、匝瑳市では、おいくらとの連携が始まりましたが、川崎市もおいくらとジモティー、両方と協定を結んでいます。その中で、実店舗のジモティースポットの提案があったそうです。おいくらでは売りたいものをネットで査定してくれ、しっかりと値段のつくものをリユースショップにつなげる、ジモティーでは、値段のつかないもの、あるいは市場的価値としては低いものをお店を介さず扱うので、それぞれサービスが違います。どちらもよいサービスだと思いますので、検討をよろしくお願いいたします。
② それから、木更津市は、クリーンセンターに粗大ごみとして持ち寄られたものの中で、まだまだ使えるきれいなものを展示し、必要とする別の市民が持ち帰ることができるイベントを月1で開催しています。リユース品を効率的にネットで紹介するため、ここでもジモティーが連携して動いているんですけれども、松山の匝瑳中継施設が解体され、施設が新しくなったときには、そういった仕組みをつくるのもよいと思いますが、いかがでしょうか。
回答(環境生活課長):木更津市の事例なんですけれども、こちらにつきましては、今後、東総地区広域市町村圏事務組合とこちらの情報共有いたしまして、こちらについても今後、調査研究してまいりたいと考えております。
市内には、ボランティア団体で、おもちゃの病院そうさという無料でおもちゃの修理を始めた団体があります。おもちゃを持ち寄ったお子さんと一緒に修理方針を決め、目の前で治すことを大切にしているのだそうです。私はとてもすばらしい活動だと思ったのと同時に、とても驚いたんです。
というのもサーキュラーエコノミーが盛んなオランダ、そのオランダから今世界に広がっているのが、ボランティアの人があらゆるものを修理してくれたり、持ち込んだ人が教わりながら修理を楽しむ場、リペアカフェというものが今じわりじわりとブームになりつつあります。サーキュラーエコノミーの最先端が匝瑳市でも始まっていたと。できれば、匝瑳市でも様々なもののリペアを楽しむ文化、壊れたらすぐ買い換えるのではなく、ちょっとしたものを直せるスキルを持った市民が増えていったらいいと思うんですよね。
物が壊れるときというのは、大概、全体のほんの一部だけが壊れていることが多いです。直せなければ廃棄物、直せればまた長く使える、直せるスキルがあればいいんです。そんな取組があるとごみの削減とともに、限られた資源を大事にする市民意識の醸成につながると思いますので、よろしくお願いいたします。これは、次のステップになりますので、ぜひ頭に入れておいて、検討していただければと思います。
③ 次に、生ごみについてになるんですけれども、匝瑳市では生ごみは一般ごみとして回収されています。しかし、水分を多く含んだ生ごみは焼却するために余計にエネルギーを使います。ごみ処理のための事業費を削減するためにも、本来は自然に帰るものは自然に帰すことが一番なんですけれども、住まいの環境などによりできない家庭もたくさんあります。そういったところで、生ごみ処理機やコンポストの普及促進が欠かせません。
そこで、伺います。匝瑳市では、家庭用生ごみ処理機及びコンポスト購入費用の一部補助がありますが、申請状況はどうなっていますでしょうか。
回答(環境生活課長):令和6年度の11月30日時点になりますけれども、生ごみ処理機等設置促進事業補助金の申請状況なんですけれども、生ごみ処理機の申請が現在のところ1件、コンポストの申請については9件でございます。
④緑色のコンポストなんですけれども、デザイン性があるわけではないので、見た目的にも抵抗のある人も少なからずいます。そんな人にうってつけなのが、葉山市の一般市民が開発し、今や全国に広がっているキエーロという木枠のコンポストがあります。
木枠なので景観的にも風景になじみますし、言ってみれば、おしゃれな感じさえあります。木枠の箱に黒土を入れ、その黒土の中に家庭で出た生ごみを入れるんですけれども、バクテリアの力で数日後には何もなくなっています。そして、キエーロのすごいところは、かさが増えていかないところなんです。まさに魔法のように消えろ、消えろと消えてしまうキエーロ、集合住宅のベランダにも置けます。匝瑳市も市内の事業者が販売していれば、購入の補助になると思うんですね。
そこで、伺いますが、市内でキエーロを販売している事業者はいるか把握されていますでしょうか。
回答(環境生活課長):家庭用生ごみ処理機やコンポストを現在取り扱っている市内の販売店、こちらに電話で調査をいたしました。現時点においては、キエーロ、こちらの商品を取り扱っているというところはございませんでした。
⑤今のところは残念ながらということで。自治体によっては、役場の玄関前などにキエーロを展示して、市民の方に実物を目にしてもらうことで促進を図っているんですが、このキエーロ、大変受けがいいと聞いています。生ごみ処理の普及促進にもつながりますので、市内のコンポストを販売している事業者にキエーロを扱ってみてはいかがですかと働きかけるのはいかがでしょうか。
回答(環境生活課長):先ほどの取扱いの有無の電話調査の際に、同店舗にキエーロに関して今後の取扱い等の予定はあるかということを問合せしたんですけれども、ちょっと今のところそういう予定はないというお答えでございました。
今後、そういった部分の有用性でありますとか、取扱いの状況等につきましても、他市の状況等も含めて、今後、調査研究させていただきたいと考えております。
キエーロ、非常に有効なんです。ぜひ調査研究、そして導入、お待ちしております。
⑥ 次に、生活排水についてなんですけれども、一般的な洗剤に使われている合成界面活性剤は自然界に存在せず、石油を原料としているものも多くあります。そういった生活排水に含まれる化学物質が海に流出して、分解されなかったり、あるいは分解までに長い時間がかかり自然界に悪影響を及ぼしていると言われています。
県内には使用済み食用油を回収し、それを石けんに作り変えて再び使ってもらうという取組をしているせっけんの街というNPO団体があります。この団体、手賀沼が生活排水によって汚染されていくのを食い止めたいと生まれたんですが、今は幾つかの自治体と連携して活動しています。
海に面している匝瑳市だからこそ、特に海を汚さない取組、していく必要があると思いますが、市としての見解をお聞かせください。
回答(環境生活課長):海域等における水質汚濁を防ぐためには、先ほどから議員が御提案していただいている汚濁につながる物質を外に出さないというのが非常に重要だというふうに私どもも考えております。
ぜひ、今後、生活排水について、しっかりと向き合っていただきますよう、よろしくお願いいたします。
⑦ 各現場がどうなっているか、現状を伺わせていただきます。
まず、給食センターでは、使用済みの食用油は現在どのように廃棄しているでしょうか。
回答(学校教育課長):給食センターでは、廃油回収のリサイクル業者が月に1回程度回収に来ております。
⑦’ 合成界面活性剤など含まれた合成洗剤を使っているでしょうか。
回答(学校教育課長):合成洗剤は使っております。
⑧では次に、公立保育所について伺います。
公立保育所では、使用済みの食用油は現在どのように廃棄しているでしょうか。
回答(福祉課長):公立保育所におけます使用済み食用油の廃棄方法につきましては、現在、凝固剤を使用して固める、もしくは新聞紙等の不要な紙類に染み込ませるといった方法を取っております。
⑧’ では、合成界面活性剤など含まれた合成洗剤は使っていますでしょうか。
回答(福祉課長):一般的に市販されております台所用合成洗剤を使用してございます。
⑨給食センターは機械化でなかなか難しい部分もあるかと思いますが、保育所、あるいは、ほかにも市の関係するところがあれば、検討の余地があるかもしれません。使用済み食用油を回収し、石けんに作り変えてもらい、合成洗剤ではない分解しやすい石けんを使うという、この循環する取組、すごくいいと思うんです。現場の都合も考慮の上ですが、まず動いてみるよう要望したいと思います。改めて、環境整生活課の見解を伺います。
回答(環境生活課長): 議員御提案ございました海洋汚染に対する取組、こちらにつきましては、海岸を有する匝瑳市におきましても非常に重要な課題であるというふうに認識をしております。使用済み食用油、こちらを石けんに作り変えて環境負荷低減に係る取組を実施しているNPO法人せっけんの街、こちら自治体との連携等、先進事例がかなりあるようですので、こちらのほうを調査研究してまいりたいというふうに考えております。
現場の無理のない範囲でですが、ぜひ取組、期待しておりますので、よろしくお願いいたします。
⑩ 次に、多古町の取組で、こども用品リユース広場というものがあります。不要になった子ども服やおもちゃ、あるいは制服、体操着、ランドセルなど、リユースショップで扱えないものを必要とする誰かに使ってもらう橋渡しのサービスになります。物の受渡しは市民同士で行い、職員の負担はそんなにありません。多古町では、オンラインで「ゆずります」などの登録が可能で利用しやすくなっています。
子どもはどんどん成長するので、まだまだ使えるのに着られなくなったり使えなくなったりするものがどんどん出てくるんです。ちょっと気が早いですが、来年度からスタートする子育て支援推進課でこの取組、できないでしょうか。福祉課に伺います。
回答(福祉課長):子ども服等のリユースにつきましては、資源の有効利用及びごみの発生抑制、子育て世帯のサポートにもつながることから大変有効な取組であると考えます。
議員御提案の取組につきましては、環境生活課において既に実施されておりますリサイクル情報コーナーとの関連もございますので、先進事例の事業内容などを踏まえた上での今後の課題となるものと考えております。
大変有効な取組であると言っていただき、ありがとうございます。
⑩’ リサイクル情報コーナーもいいんですけれども、子育て支援を推進するために、子ども用品に特化してもいいのかなと思います。
大人になれば洋服でも何でも10年以上使うのが普通になってくるんですけれども、子どもは体の大きさもどんどん変わる、趣味嗜好も成長とともにどんどん変わる、二、三年くらいで次のステージ、次のステージへと移り変わってくる。サイクルが早いんですね。
そして、私の子どもが来年小学校に上がるということで、ランドセル、お下がりでもらったんですが、ぴかぴかなんですね。新品じゃなきゃ嫌だという家庭ももちろんあると思いますが、中古でも全然気にしないという価値観の人も確実に増えてきています。中古イコール貧乏くさいという価値観は崩れてきています。むしろアップサイクルさせたら格好いいと私は思います。
そして、不要になったものが次の必要とする誰かとつながらなければ、行き先を失ったものは廃棄される運命になります。廃棄されるものと一緒に誰かに使ってもらいたいという思いも捨てられてしまうことになりますので、ぜひ、ものと一緒に思いをつなげていくサービス、そんなサービスがある必要があると私は考えます。
菊間課長は福祉課長で、子育て支援推進課長ではありませんので、市長、課が編成された折にはしっかりと検討してほしいのですが、お願いできますでしょうか。
回答(市長): ありがとうございます。今まで様々な取組、提案等をちょっといただいたところでありますけれども、私もまだまだ知らないような取組もあったところであります。
特に、今の子育てのところに関しましては、これから子育て支援推進課が設置されるに当たっては、一つ有用な手だてかなというふうには今認識しましたので、貴重な意見として今後、参考にさせていただきたいと思います。
ぜひ、子育て支援を推進するならお願いいたします。
11、 それから、サーキュラーエコノミーと近いところにシェアリングエコノミーというものがあります。これも世界に広がりつつ、共有型経済のことです。住まいやオフィスなどのスペースをはじめ、もの、スキル、時間、あらゆる価値をコミュニティ内で共有することで、これまで知らない誰かとつながり、全く新しい暮らし方や働き方をもたらします。
若い世代や次の時代を見越した先進的な企業によって、時代は、所有から共有へ移り変わっています。所有するのではなく、共有することで、社会全体の必要な資源量が少なくて済むだけでなく、新たな価値、新たな世界が広がります。
例えば、カーシェア、ルームシェア、シェアハウス、ライドシェア、シェアオフィス、シェアベストというものまで出てきています。
それから、最近、耳にすることが多くなったのがサブスク型のサービス、定額制で使い放題のサービスになるんですけれども、音楽のサブスクから、洋服のサブスク、宿泊施設のサブスクもあります。
例えば、旅好きの人など、日本中を巡るような人が、全国に登録された民泊の施設を定額で安く利用できるサービスになるんですけれども、匝瑳市の空き家を活用して、宿泊施設のサブスクを利用される方の選択肢の一つに匝瑳市がなったら、関係人口を創出するためにもよい切り口になるのではないかと思うところなんですけれども、現段階では難しいかなと思いますので、ぜひ検討ということでよろしくお願いいたします。
これからシェアリングエコノミー的なサービスが増えてきます。民間企業や非営利団体が加盟しているシェアリングシティ推進協議会というものがあり、自治体でも177の自治体が加盟、千葉県では千葉市、市川市が加盟しています。経産省、総務省、内閣官房も応援していると。これ加盟するのにお金がかからないそうなので、情報のシェア、連携という意味でもシェアリングシティ推進協議会の加盟も今後、検討してみてもいいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
回答(環境生活課長):議員の御提案のありましたシェアリングシティ推進協議会への加盟ということなんですけれども、シェアリングエコノミーにつきまして、個人や団体等が保有する資源を利用者と共有する経済モデルということで、実際に現在抱えております地域課題の解決を図る一つの手段として非常に有効であると考えております。
ただ、これちょっと調べましたら、かなり広範囲にわたっていろんな部門がございまして、この環境部門だけでちょっと加盟とかというのは、また今後、そういったところの部門もちょっと研究させていただいて、今後の参考にさせていただきたいと思います。
広範囲に及びますので、ぜひ市長も時間の空いたときにシェアリングシティというかシェアリングエコノミーのサイトがありますので、チェックしていただけると。お願いします。
アインシュタインの言葉で、「問題をつくり出したときと同じ考え方では、その問題を解決することはできない」というものがあります。課題の新たな解決のヒントになると思いますので、ぜひチェックをよろしくお願いします。
12、 そして、次に、プラスチックごみになるんですけれども、日本は1人当たりのプラスチック容器包装の排気量が年間32キログラム、アメリカに次いで世界2位となっています。日本ではリサイクルが積極的に行われていて、それはそれでいいことなんですけれども、リサイクルよりエネルギーを使わないのはリユースであり、そもそも廃棄を出さない、削減するリデュースがとても大きな効果があります。
今年の5月に、千葉県とウォータースタンド株式会社がプラスチックごみ削減と脱炭素社会実現に関する連携協定を締結しています。県内の各自治体も同様に、神崎町、佐倉市、木更津市、一宮町、流山市、袖ケ浦市、四街道市がそれぞれ協定を結んでおりまして、誰もが無料で給水できるウォータースタンドを設置する動きが広がっています。
プラスチックごみを減らしていくには、匝瑳市でもこういった取組、啓発が必要だと考えますが、いかがでしょうか。
回答(環境生活課長): 御提案のありましたウォータースタンドの設置につきましては、近年、環境問題への意識の高まりやマイボトルの利用促進等、様々な背景から注目を集めているというふうに認識をしております。
既に民間事業者と連携しまして取組を始めている先進自治体の事例ございます。こちらのほう、今後、調査研究をさせていただきたいと思います。
世の中ではリユース、リサイクル、活発になりつつありますが、日本にもかつてはリユース、リサイクル率が高い時代があったのも御存じでしょうか。江戸時代です。江戸の町には廃棄物をしっかりと回収し、様々なものをリサイクルして使う暮らしがありました。
例えば、反物、直線で裁つ着物は、ほどき直して仕立て直すことを前提に考えられており、着物として着られなかったら子ども用に仕立て直したりですとか、おしめにしたり雑巾にしたりと、まさに循環するサーキュラーエコノミーの暮らしがありました。しかも我慢するのではなく、少ないながらもあるものを楽しむ文化、ものは豊かではなかったかもしれないけれども、気持ちは豊かだったに違いありません。
そして今、ものを所有する物質的な豊かさから、ものを共有、循環させ、豊かさを分かち合う時代が既に始まっています。サーキュラーエコノミー、シェアリングエコノミーを通して一般市民にそうした気づきを提案するような取組が、匝瑳市を何もなかったとしても面白いまちにしていくと私は思うんですね。ものと一緒に思いを一方通行の経済モデルのように捨てていくのではなく、つないでいく、巡らせていく、ぐるぐると循環させながら、堂々巡りではなく、らせんのように幸福度が上がっていく、そうすることで、今よりも豊かにして次の世代に引き渡すことができるんじゃないかと思います。
今回、取り上げたのはごく一部ですが、様々な分野で取り組める社会モデルとなります。
そして、市長、この循環型の経済モデル、サーキュラーエコノミー、「めぐる」という意味を持つ文字を市名に持つ匝瑳市が目指し、仕組みをつくることで、市のブランディングになると思うんですけれども、改めていかがでしょうか。
回答(市長): 今、数々御提案いただいたところで、私も非常に興味があるなというふうに思ったところで、ちょっと御提案いただいたところはチェックをしていきたいというふうに思います。
そのような中で、ちょっとおっしゃっていただいた匝瑳の字には、「めぐる」という意味もあるというようなところの中から、地域ブランドの確立ということも可能ではないかという御提案につきましては、貴重な御意見として、今後、参考にさせていただきたいというふうに考えます。
なかなか大きなことで、時間もかかることなので、ぜひ、頭に入れておいて、何かのヒントになると思いますので、よろしくお願いします。
匝瑳市内には、先ほど申し上げたように、おもちゃの病院のようなリペアする文化であったり、海のほうのあるお店が主催で、砂浜のプラスチックごみを子どもたちとかみんなで拾って、それをサーフボードに作り変えてもらい、サーフィンを楽しむというイベントを開催しているお店なんかもあります。そういったアクティブな市民が動き出しています。
そうした市民と行政、いろんな関係団体では、同じような将来的なビジョンを目指しながら、共有しながら動き出せば、匝瑳市があらゆるものの価値を循環させていく面白い町になっていくと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。