ー登壇質問ー
イノシシは物すごい繁殖力を持っています。2歳になれば出産可能で、1年に2回繁殖期があり、一度に4から5頭産むと言われています。市内の山間部では、数年前にイノシシの目撃情報が驚きとともに寄せられるようになってから年々繁殖し、今では生息していることが当然の認識として捉えられるようになっています。小高地区では、子どものイノシシ、ウリ坊を10頭以上引き連れた親イノシシの姿も確認されています。イノシシが増えることで、農作物被害はもちろん、人的被害の可能性も高まります。
有害鳥獣への対策としては、現在、イノシシに限らず、カラスなどの有害鳥獣駆除が猟友会によって行われていますが、猟友会の会員の高齢化が進んでおり、ここ5年、10年で引退される方も多いのではないかと予想されます。イノシシの増加と駆除隊員の減少がこれから深刻化してきます。イノシシが増えてから、猟師の数が減ってから慌てて対策に力を入れても今よりもっと、ずっと大変になります。大変になる前に、今から力を入れていかなければいけないのではないでしょうか。
市で把握されている市内のイノシシの状況と今後の対策を伺います。
回答(農林水産課長):
本市におけるイノシシの捕獲実績は、令和4年度は2頭、令和5年度は4頭、令和6年度は11月末時点で4頭となっております。イノシシの目撃情報、足跡や被害については、市北部を中心に13件の報告があり、情報提供者からもイノシシが増加傾向であると伺っております。
イノシシ対策としては、匝瑳猟友会へ有害鳥獣駆除業務を委託し、市が所有する大型の箱わな、くくりわなを用いて捕獲、駆除を実施しております。駆除に参加されている猟友会会員は23名で、若い方もいらっしゃいますが、全体的には高齢化が進んでいる状況で、将来的に会員の減少が懸念されます。
今後の有害鳥獣対策につきましては、本年度から開始した農作物被害を防止するための電気柵の設置に対する補助や狩猟免許取得費用の補助などにより取組の強化を図っております。
今後も情報収集に努め、引き続き関係機関と連携しながら、農作物への被害防止に取り組んでまいりたいと考えております。
ー再質問ー
① 現在、イノシシに限らず、カラスなどの鳥類を含めて、匝瑳猟友会が有害鳥獣駆除を行っておりますが、駆除に携わっている猟友会の方の年齢構成はどうなっていますでしょうか。
回答(農林水産課長):匝瑳猟友会の年齢構成については、40歳から91歳の方で、会員数は23名でございます。そのうち70歳以上の会員は12名であり、平均年齢は67.74歳となっております。
② 91歳の方もいらっしゃいますが、この方はちょっと特例中の特例で、大体は皆さん80を過ぎると引退を考える傾向にあるのかなと思います。ですから、今から5年、10年すると、今の半数くらいの方が引退されるかもしれません。
もちろん新しい人も入ってきますが、上の世代と比べると少ない、そして、有害駆除に携われるのは、狩猟免許を取得してから3年がたたないとできません。そして、資格があっても技術がなければ捕獲できません。
今回、特にイノシシを取り上げさせていただいたのは、鳥を取るのと全く訳が違うからです。猟銃を打つのとわなで捕獲する方法がありますが、銃で撃つ場合、鳥を打つときは小さい玉がたくさん出る散弾の弾を使うんですけれども、イノシシはそんなの全く利きません。なので、スラッグ弾というビー玉より少し大きめの一発の弾を使います。これが音も反動も散弾とは全くの別物で、使い慣れていないとなかなか大変なわけです。
そして、イノシシも基本、逃げますが、こちらに向かってくることさえあります。身の危険もあるわけです。そうなると、やはりより安全な捕獲方法はわなになるんですけれども、匝瑳市でわなを本当にしっかりやっていらっしゃるのはお一人かなというところです。この方は80過ぎていて、もう引退すると言っています。ほかには、がっつりではないですが、一応やっているのは、お二人かなというところ、そういう厳しい状況なんです。この現状をまず分かっていただきたい。
その上で、有害鳥獣駆除の委託費について伺います。
匝瑳市と近隣自治体の委託費の状況はどうなっていますでしょうか。
回答(農林水産課長): 有害鳥獣駆除ということで委託費、こちらの御質問でございますけれども、初めに、匝瑳市につきましては22万円、銚子市は77万円、旭市は209万4,000円、香取市は40万円、多古町は64万8,000円、横芝光町は60万円となっております。
③ 近隣と比較すると、匝瑳市、かなり低いのではないかと思います。旭市は1桁違います。その辺どうなんでしょうか。
回答(農林水産課長): 市町により委託の内容、また委託先の団体数、また報償費の加算等、委託の条件が異なることから単純な比較はできませんけれども、近隣と比べますと、額面では確かに低いというような印象は持っております。
今後、国・県、こういったところの補助金等の活用も含めまして、検討してまいりたいと考えております。
④ 積極的な補助金の活用をぜひよろしくお願いいたします。
現状、個人個人が匝瑳市ではお金をもらっているわけではないので、ボランティアでやっています。有害駆除では車であちらこちらへ移動しますし、特にわなの場合、見回りをこまめにやらなければいけないので、かなりの距離を走ります。ですので、金銭的には、結構マイナスになります。しかもイノシシが相手だと、箱わなだったらある程度は安全なんですけれども、くくりわなの場合、イノシシは足を引きちぎってまで、こちらに向かってくることさえあります。そういう命の危険もある中でやっているわけです。
それでも駆除隊員の皆さんは頑張ってくれていますが、高齢の方は引退が間近で、現役世代はふだん仕事をして、休日も予定がある中で調整して駆除活動に参加しています。その中で、成果を上げていくには、やはりもう少し活動費を上げるなりしないと難しいのではないかと考えます。
例えば、報償費という形、イノシシ1頭捕獲したら幾らとか、匝瑳市はカラスの被害も結構ありますので、カラス1羽当たり幾らとか、報償費については、農水省の鳥獣被害防止総合対策交付金や県のイノシシ等有害獣被害防止対策事業などありますから、そういったものを活用して、てこ入れをする、その必要があると私は考えます。
そこで、伺います。近隣の報償費の導入状況はどうなっていますでしょうか。
回答(農林水産課長): 近隣の市町でございますけれども、イノシシ1頭当たりの補償費ということでお調べしました。銚子市、旭市は1頭当たり1万円、香取市は1万2,000円、多古町では、成獣、大人ですね、成獣に1万2,500円、子どもの幼獣につきましては8,000円ということで報償費を設けていると、そのように伺っております。
⑤ 匝瑳市でも報償費の導入、いかがでしょうか。
回答(農林水産課長): 今回、御意見ということでお伺いいたしまして、先ほど申し上げた補助金制度、こういったものの活用を含めまして、調査研究してまいりたいと考えます。
現在、市では、わな猟免許取得補助を始めていただいて、入り口の部分はできたので、それを継続、続けていくため、成果を上げていくための施策をお願いしたいと思います。
わなによる捕獲の研修で技術の継承、人材育成など、そういったところも含めて、今回どういった形になるか分かりませんが、話合いの中でも前向きにしっかりと検討していただける感触を私は得ましたので、気のせいじゃないですよね、しっかりと検討していただけるという感触を私は得ましたので、引き続き、今後の状況の変化を見据えながら対策をしていただきますよう、よろしくお願いいたします。