【登壇質問】
全国で毎年のように学校のプールの水を締め忘れ、多額の水道料金が発生してしまったというニュースを目にします。またかというほど繰り返し発生する事案だと分かりつつも、またどこかで発生します。
今年も6月に江戸川区の学校で2件も発生し、損害額は合わせて51万円、石川県小松市では5月から6月にかけて13日間水を出しっ放しにしてしまい、損害額300万円、プール開きに向けて注水する際に泥抜き用のバルブから全て水が流れ出ていたそうです。
そして、こういったプールの水を締め忘れた際、数十万から数百万円に及ぶ損害額を水の管理を担当した教師やその学校の校長先生が支払うという事例がよく目につきます。担当したからといってそのミスの責任を個人に背負わせ、多額の賠償金を背負わせるのはあまりにも負担が大き過ぎるのではないでしょうか。様々な業務をこなす中で、どうしてもミスは起こり得ます。
今年の7月には、文科省から各都道府県教育委員会教育長向けに、学校における働き方改革に配慮した学校プールの管理の在り方についてという通知が発出されました。その中で、指定管理者制度の活用、民間業者への委託の検討、または学校側でプール管理を行う場合でも管理員の配置、自動で給水を止めるためのシステムの導入、複層的なチェック体制の構築、マニュアルの作成などを通じ、特定の教師に任せきりにせず、組織として適切に行うための環境整備を徹底するようにとあります。早急な対応が求められます。
匝瑳市では、これまで学校のプールの水管理はどのようにされてきたでしょうか。水を出し忘れた場合の責任はどのようになっているでしょうか。また、今後の対応について伺います。
【回答】教育長:
本市の学校では、プールの注水に際しては管理職を含めて複数体制で行う、平日の日中に限定して行う、注水中を示す札を職員室に掲示するなどの工夫をして締め忘れ防止に努めております。また、各学校において、プール実施時期に限らず、毎日水道使用料の点検を行っております。このことにより、各学校における複層的なチェック体制が構築されており、プールの水だけでなく、校舎内外の水道の締め忘れも併せて防止できております。今後につきましても、水道使用量の点検等を継続し、締め忘れ防止に努めてまいりたいと考えております。
議員お尋ねの責任の所在につきましては、本年7月に文部科学省より通知された学校における働き方改革に配慮した学校プールの管理の在り方についてに示されてもおりますが、特定の教員にプールの管理が任され、損害賠償を負うおそれがある状況は望ましくないものと考えております。幸い本市においてプールの水の締め忘れは発生しておりませんが、引き続き複層的なチェック体制の構築や特定の教師に任せきりにしない管理体制の整備を徹底してまいります。
【再質問】
1、念のための確認ですが、複層的なチェック体制により水の締め忘れないと思いますし、今後もないと願っているところなんですが、もし万が一そういったことが起きたとしても、基本的には担当した教員個人、または校長先生が損害賠償を支払うことはないと認識してよろしいでしょうか。
【回答】
担当教員等に大きな過失があった場合は、これは別でありますが、基本的には先ほどの教育長答弁で申し上げたとおり、特定の教員にプールの管理が任され、損害賠償を負うおそれがある状況は望ましくないと考えております。
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大きな過失、つまりちょっとしたミスですとか行き違いを超えた、誰の目にも明らかな大きな過失ということですね。
そういった例外的な場合はもちろん致し方ありませんが、基本的な考えとしては個人に損害賠償を負わせるのは望ましくないと認識いたしました。文科省の方針、匝瑳市教育委員会の方針と私の考えは完全に一致しておりますので、ぜひ今後とも管理体制の整備の徹底をよろしくお願いいたします。