●登壇質問●
小規模特認校制度は、少人数ならではの、きめ細かな指導や地域の特性を生かした活動など、特色ある教育を行う学校へ、
通学区域に関係なく、市内のどこからでも通学できるよう、転入学を認める制度になります。
全国で小規模特認校制度を導入する自治体が増えており、千葉県内でも取り入れている自治体がいくつもあります。
豊かな自然環境を生かした体験学習やICT活用による他校との交流、英語教育やSTEAM教育に力を入れ、特色を打ち出すことで着実に成果につなげています。
市内にも、生徒数が少ない小学校がありますので、複式学級の解消や廃校の予防策の有効な手段となり得るのではないでしょうか?
小規模特認校制度を導入しては如何でしょうか?
見解を伺います。
【回答】
小規模特認校制度とは、少人数の学校で、自然環境の活用や地域住民との交流など一人一人の個に応じた指導や、体験活動等を多く取り入れた教育活動を展開しており、少人数ならではのきめ細やかな教育を受けたいと希望する児童や保護者に一定の条件のもとで、他の通学区域からの通学を許可するものです。
大規模校を抱える都市部においては、多人数が苦手な児童や小規模校ならではの教育活動のもとで学びたいと思う児童や保護者のニーズに応えられる制度とは思います。しかしながら、児童生徒数が減少傾向で推移している当市の現状としては、小規模特認校制度を実施することは難しいと考えます。
●再質問●
【質問1】
少人数の学校なら、大人数が苦手な児童にとっての選択肢にもなり得ます。
文科省の発表によると、令和4年度の全国の不登校児童生徒数は、前年度244,940人から54,108人増加の299,048人となりました。
市内の不登校の児童数と、大人数の学校で不登校児童が多くなる傾向があるのか?
お聞かせください。
【回答1】
令和4年度における不登校を理由に30日以上欠席している児童数は、小学生で21名(中学生で39名)です。
不登校の理由については、児童それぞれに様々な複合的な理由があります。よって、大希望校であるからといって不登校が多い傾向があるわけではございません。
都市部のマンモス校みたいな学校では、1つの要因として、あるかもしれませんが、匝瑳では関連性はないとのことですね。
【質問2】小規模特認校制度の導入は難しいとのことでしたが、今まで少人数の学校の生徒の減少を抑制するような取り組みはあったのでしょうか?
【回答2】
ございません。
なかなか大きな問題だし、対話は難しいんですが、
そうすると子どもの数が減っていくのをただただ流れに身を任せるしかない。
【質問3】じわじわと人数が減ってきていますし、匝瑳市の財政も厳しくなってきますから、学校の統廃合という話も遠からず出てくるんじゃないでしょうか?
今、市内の少人数の小学校の規模感、さらにこれから人数が減ってきますが、教育長のお考えとしては、学校の今後の存続についてどういうお考えでしょうか?
【回答3】
小学校が地元がなくなるというのは、地域住民にとっては切実な問題であります。ただ、どうしても運営上、子どもたちの競争意識がなくなってしまう。そういうデメリットが生まれます。それから集団で行う合唱が出来なくなったり、集団競技が出来なくなるデメリット。
逆に一人一人に先生方の目が非常にきめ細やかに行き届く、そういうメリットもあります。
ですから、まずは保護者、地域の皆さんの声を聞きながら、進めていきたいなと考えます。
地元の拠点となる、おじいちゃんおばあちゃん方にとっても自分たちの母校がなくなるというのは本当に寂しい思いだと思いますので、本当に慎重にやっていかなければいけない。
ただ子どもたちが、もうこれ以上減ってしまったら授業が成り立たないから統合したい、という親も子どももそういう意見が出てくれば、そちらに舵を大きく切らなければいけないなと思いますが、その辺は慎重に私は進めていきたいと思います。
本当に今まで経験してきた統合問題については当然ながら賛否両論ありますから本当に難しい問題であります。
それから小規模特認校制度ですが、これまでも匝瑳市ではやっておりません。
私の知る限りでも、都市部の大規模なところでやっているんですが、ただ長く続いておりません。
例えば吉田小学校では、かつて学区が違うんですが、親御さんの強い希望で、どうしてもうちの子は小規模でなければ対応出来ない、ということを聞いた上で、区域外通学ということで吉田小へ行って元気に卒業したという例がありますので、その辺は教育委員会としては弾力的に対応してきましたし、これからもそういう考えでいきたい、と考えています。
匝瑳市だと全体の児童数が少なくて、
こっちに配慮して、出来ない。結果、対策をしたくても何も打ち出せなければ、匝瑳市全体が危うくなってくるんじゃないでしょうか?
逆に、特色のある学びがあれば、匝瑳市の学校に通わせたい!と、学校を目当てに移住を検討する人も出てくると思います。
市内で、こっちの学校はこんな特色がある、こっちの学校はまた違ったこんな特色がある、そうなると、市全体でも大きな特色になると思うんですね。
今もそれぞれの学校で取り組んでいることはありますが、外向けの発信は出来ていないと思うんです。
今の時代、写真を撮るにも、子どもの顔が出せないので、顔を写さないようにしたり、後ろ向きだったり、解像度を下げたり、あるいは子どもそのものを映さなかったりで、そうすると、全然良さが伝わらないんですよね。
了承さえ取れれば、そういう発信も出来る。写真は、1枚でも2枚でもいいんです。これだ!というものですね。子どもたちが楽しんでいる姿というのは、凄い効果なんです。
都会から移住してくる方の多くは、自然豊かな環境、のびのびとした子育てや個性を伸ばせるような教育を求めていたりします。
そして、少人数の学校を求めている家庭もいます。
少人数というのが、人を惹きつける魅力にもなる。
ピンチがチャンスになるんです。
★参考資料★
移住雑誌の「TURNS」
最近では、こういった移住雑誌で教育特集が組まれるようになっています。
教育移住という言葉もよく聞かれるようになりました。
それだけ教育は注目されています。