これまで各自治体が実施する子宮頸がん検診については、厚生労働省のがん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針において、二十歳以上の女性を対象に、2年に1回、病変の有無を見る細胞診を行うことを推奨してきました。がん検診の在り方に関する検討会の議論を踏まえ、指針が改正され、令和6年4月から、30歳から60歳の方が対象になりますが、ウイルス感染の有無を見るHPV検査単独法が追加されました。
メリットとしては、現行の細胞診の検診間隔は2年に1回でしたが、HPV検査単独法では、検査結果が陰性となった場合、5年に1回の検査でよくなり、受診者の約8から9割が陰性になることから、受診者の負担軽減につながります。自治体としても検診間隔が延長されることで事務負担等が軽減されます。また、厚生労働省が行った調査の中で、がん検診未検診の一番多かった理由として、「受ける時間がないから」28.9%でした。受診行動の負担が軽減されることで、受診率向上への影響が期待されます。
HPV検査単独法のメリットはたくさんあり、国立がん研究センターも推奨度Aとしています。匝瑳市でも導入すべきだと考えますが、いかがでしょうか?
【登壇質問に対する回答】
現在、匝瑳市では、子宮頸がんについては細胞診検査を行っております。令和6年2月、国の指針が変更となり、検診の方法としてHPV検査単独法が追加されました。
この検査では、HPVウイルスの有無を確認する検査の結果、陽性であったものの精密検査は不要と判断された受診者が翌年以降の追跡検査の対象として管理されることから、子宮頸がんの早期発見、早期治療につながる効果があります。また、受診者の約8割から9割は検診間隔が5年ごととなるため、受診行動の負担軽減が期待できると認識しております。しかしながら、この検査方法の導入につきましては、陽性者に対する長期の追跡を含む検診体制の構築が前提となり、これができない場合は、効果が現在行っている細胞診検査を下回る可能性があります。このため検査を担う医療機関や検診実施機関等と連携し、実施体制や健診受診状況を長期に追跡するためのデータベースの整備、陽性者のフォローアップ体制の構築などについて協議を進めてまいります。
【再質問】
1、(HPVワクチンの質問の流れから‥)がんの予防には検診が大事ということで、検診率の向上をと訴える流れでありますが、本日は、HPV検査単独法の導入に触れさせていただきます。
子宮頸がん検診、現状の細胞診の検診、精検率、精密検査ですね、を二十歳以上の全年齢とHPV検査単独法の対象となる30歳から60歳までで教えていただけますでしょうか?
【回答】
令和6年度の二十歳以上の子宮がん検診細胞診の精検率は1.05%となり、30歳から60歳までの子宮がん検診細胞診の精検率は1.08%となります。
2、大体1%くらいの方が精密検査に回るということですね。病変の有無についての検査は99%くらいの方が陰性であると。先ほどのワクチン接種を考えるときに参考になる数字です。ありがとうございます。
それで、検診の委託料の比較をしたいと思います。細胞診の検査委託料とHPV検査単独法の検査委託料は幾らでしょうか?
【回答】
令和7年度の細胞診の検査委託料ですが、千葉県民保健予防財団で実施する集団検診では5,368円、各医療機関で実施する個別検診では6,110円となります。HPV検査単独法の検査委託料は、集団検診では7,623円、個別検診では8,280円となります。
3、それでは、30歳から60歳までの市の助成額について、1人当たりの助成額と全体の助成額はどのくらい見込みになりますでしょうか?
【回答】令和7年度の1人当たりの市の助成額は、集団検診では5,368円、個別検診では6,110円となり、30歳から60歳までの市全体の助成額は820万円となる見込みです。
なお、1人当たりの個人負担金は、集団検診600円、個別検診は1,000円となります。
4、HPV検査単独法を導入した場合、対象となる30歳から60歳の方の受診者数はどのくらいの見込みになりますでしょうか?
【回答】
HPV検査単独法の対象となる30歳から60歳までの受診見込み者数は1年当たりで280人程度となります。これはHPV検査単独法が5年ごとの受診となるため、令和6年度の対象年齢の受診者を5で割って求めた数字になります。
5、280人程度の見込み者数ということですけれども、市全体の助成額はどのくらいの見込みになりますでしょうか?
【回答】
HPV検査単独法の市の助成額ですが、昨年度の集団検診、個別検診の受診者の割合で算出いたしますと1年当たりでおよそ230万円の見込みとなります。また、HPV検査陽性となる方が1割から2割程度見込まれることから、その分の検査料等を含めますと250万円の見込みとなります。
6、
ということは、現在の細胞診とHPV検査単独法を導入した場合の差額は幾らになるんでしょうか?
【回答】
細胞診での市の助成額は820万円の見込みとなり、HPV検査単独法での市の助成額は250万円の見込みとなりますので、差額570万円の見込みとなります。
HPV検査単独法を導入すると見込みでは1年当たり570万円が浮くと、財政面ではなかなかよいものであるかなと思います。
ただ、回答でもいただきましたが、集団検診を実施する千葉県民保健予防財団や各医療機関の理解や協力が必要であり、しかも一斉に取り組まないと市民にとってはちぐはぐが起きて、混乱が起きてしまうところがあるので、仮に匝瑳市でよしやるぞとなっても今すぐにはなかなかいかないところかなと思います。
それから、行政としては、陽性だった場合のアルゴリズムが複雑になる部分が懸念事項の一つかと思うんですけれども、HPV検査単独法より複雑なアルゴリズムになる細胞診とHPV検査の併用検診でも2007年から導入している出雲市の担当者の方にお話伺いましたら、市民も医師も行政もみんな負担が減り、こんなよいものはないと太鼓判を押していました。今すぐには動けないにしても今後、流れが来ると思いますので、アンテナをしっかり張ってチャンスが来たら導入をよろしくお願いいたします。